elude丸

日々の思い描くことをツラツラと綴るブログ

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書籍「新 怖い絵」絵画の裏に潜む恐怖を暴き知らしめてくれる一冊

      2016/11/07


書籍「新 怖い絵」恐怖するという難題に絵画から踏み込んだ著書

このサイトを開いた当初、「京都市美術館」へと行ったことを書いたことがある。
開催されていたのは「ルーブル美術館展」であった。

海の日は京都観光と洒落こんだ。ルーブル美術館展へ

そんな私はもともと絵画が好き、というわけではなかった。
いや、正確にいうと絵画の勉強をしてきた訳ではなかったため
どうしても絵画の観方というのはわからなかったこともあり
どこか自分の中で完結していた部分がある。
それもこれも、今の現代には写真というものがあり、検索することで
その絵画の表情を簡単に見ることができる。

例えば、私の好きが絵画「真珠の耳飾りの少女」という絵画がある。

Johannes Vermeer (1632-1675) - The Girl With The Pearl Earring (1665).jpg
By ヨハネス・フェルメール不明, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=63194

皆さんも見たことがあることだろう。
学生のころ、美術の授業があり画材とは関係なく、どうしてか美術の教科書も買わされ
興味もなくペラペラとめくり、この少女の姿を目にしたかもしれないからだ。

このように今の世の中というのは検索するだけで簡単に絵画を見ることができる。
結果として私の中で完結してしまっていた。
「絵画って所詮は絵でしょ」という思いがあったことをココに吐露させて頂く。

だが、決してそうではなく。絵画自身にも、そして描いた作家自身にも
様々な思いがある。それは愛や信頼、夢。などの美しいものも当然ある。
が、それだけではない。怒りや哀しみ、恨みに妬み。そして「死」というものまで。

そういう部分が絵画には隠されていることを知り
そして絵画の奥深さと共に人に隠された業を垣間見せてくれる書籍にであったことで
自然と絵画についての興味を惹かれたのだ。

そして、そんな風に絵画の観方を教えてくれたのが「中野京子」さんである。
そんな中野京子さんの新刊が刊行された。それが「新 怖い絵」である。

book_shin_kowai_e

題名に「新」とあるのだから「旧」があるのは誰の目にも明らかである。
新が刊行される以前に3冊の「怖い絵」が刊行されているが
いずれも購入し、これを読んだからこそ上記で書いたように
絵画への向き合い方に大きな転機を私へともたらしてくれたと言える。

これまでに上記のような3冊が刊行され、著者自身が「3冊で終了」だと言っていたのだが
それなりの反響があったようで、「新」として新しいシリーズを刊行することになったそうだ。

さて、この著書に関してどういうものなのか説明をしたいと思うが
筆者でもある中野さんが「あとがき」に記されている内容が本当に端的であり
判り易いので引用させて頂く。

『怖い絵』のコンセプトは、端的に言えば絵を「読む」ということです。画面には何ら恐ろしいものが描かれているわけでもないのに、その歴史的・社会的・文化的背景、及び画家や発注者の思惑などを知ることで、作品の孕む怖さに気づき、興味も倍加するのではないかと思っています。

このように語られている。
まさに絵画を、キャンバスだけで見るのではなく、額縁の中だけで見るのではなく
その時代背景、そして作家の背景などへと視点を落とし込み
一般人が知らない興味深い世界観を紹介し、絵画の新しい視点を紹介してくれたのが
中野京子さんの「怖い絵」シリーズと言える。

今回紹介する新刊の「新 怖い絵」にもその系譜はしっかりと受け継がれており
紹介する絵だけでなく、作家が送った業。または時代背景なども合わせて
細かなところまで紹介してくれている。

その紹介にはユーモアーを交えるだけでなく
ピリリと辛いブラックユーモアーも交えながら
読んでいるユーザーへとどういう経緯で、どういうところを怖く感じるのか。
どうしてこんな世界観を持っているのか。
しっかりと、そして綿密に紹介してくれている。

この書籍に絵画のナンたるか、は知らなくても良い。持ち込まなくても良い。
筆者である「中野京子」さんが語り部となり、私達を一枚の絵画が持つ世界観へと
丁寧に連れ立ってくれるから。

絵画は昔からある表現技法であり、人はそんな絵画に大きく魅了される。
そんな昔から多くの人を魅了してきた有名作家の絵画について
新しい視点で学ぶことができる一冊。
昔からある映像表現について、手にとって見ては如何だろうか?

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