elude丸

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演劇「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー」は観客が主人公になれるステージ

      2017/05/26


演劇「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー」は観客が主人公になれるステージ

公式サイト「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー

すべての予定されている公演が終了しネタバレを気にする必要もなくなった。
ということで、記事の公開を行わせて頂きたいと思います。
ちなみに私が参加したのは「大阪公演」朝公演ということもあり
キャストの皆さん元気で、ステージ上をアチラコチラへと本当に駆け巡り
大変盛り上がったイベントだったと言えます。

dragonquestlive

あと、個人情報として紹介させて頂くと「演劇」や「コンサート」などのイベントの鑑賞は本当に久しぶり。
そのため、まったく舞台に関しての嗜みもなく、知ったかぶりで話しているかもしれませんがご容赦を。
久しぶりというのがどの程度なのかというと、小学生の頃に祖母に連れられて
鑑賞させて頂いた「宝塚歌劇」という久しぶり具合w
(20年以上前の話なので、本当に久しぶりです)

ドラクエスペクタクルツアーのキャストで最も重要なのは「パノン」

さて、今回のイベント「ドラゴンクエストスペクタクルツアー」について話をさせて頂きたいと思います。
ドラゴンクエストというと、シリーズごとに勇者が設定されていて
それぞれ異なる世界にて冒険を繰り広げるものです。
ドラゴンクエストという世界観を共有するだけで、まったく新しく構築する選択肢もあったでしょうが
今回の選ばれた題材は「ドラクエ3」でした。
どうしてなのか、というのは企画演出上の都合と推察できます。

というのもドラクエシリーズにおいて、勇者でありながら固定の名前が与えられていない
稀有な存在なのが「ドラクエ3」の勇者だからです。
結果として、勇者の名前を織り交ぜイベントととして
そして、見に来ている観客を盛り込んでの世界観を構築するための企画演出の意図があるからこそ
「ドラクエ3」という仕様がよかったのだと思えます。

まあ、実際に登場するキャラはその他のシリーズから連れてきたもので
ドラクエ3のルイーダの酒場というシステムを使って世界観を構築しています。

そんな冒険の旅へと登場するキャラでメインとして出ていたのが

「勇者」「テリー」「アリーナ」「ヤンガス」「パノン」

という登場するシリーズもまったく異なるキャラクター達がドラクエの世界観を彩ってくれています。

うん?ちょっと待って「パノン」って?と思ってしまうことでしょう。
有名ドコロでも無いキャラでどうして選ばれたのか疑問を覚えずにはいられません。
が、演劇としたとき必要不可欠な存在で、企画演出では欠かせない存在であることがわかりました。

というのも、今回の演劇では勇者に固定の名前は設定されていないのです。
周囲のキャラクターから呼ばれる時も「勇者」と呼ばれ、名前はでてきません。
そこには後半でしっかりとした意味が込められており演出としての理由があるのです。
そんな演出を良くするため「名無しの勇者」という部分が生かされています。
その意図というのは、「勇者=来場したお客様」という風に重ね合わせて楽しんでもらうため。
そういう演出がなされているのです。そのため勇者役のキャストさんには会話らしい会話がありません。

そんな無言の勇者を補佐するために「パノン」という役割は重要になるのです。

つまり、通常の演劇ではスポットを当たられる主人公の行動によって物語が進行します。
その主人公たる「勇者」が話をしないため、代わりに状況説明であったり世界観を解説し
見に来てくれている観客を、ドラクエ世界へと誘うための導き手が必要になるのです。
そこで、導入者として「パノン」という役目が活かされています。

時には道化のように笑いを誘い、原作と同じようにくだらない冗談をしながらも
時には勇者を鼓舞し観客の感情を爆発させるために先導役を買って出たり。
そんな演出を一身に体現する役目を担っていたと言えます。
ステージを見に来た観客を取り込んで一体感のある演出を成功させる上では
必要不可欠な存在と言え、劇を成立させた立役者でもあった訳です。

そういう意味では最初から最後まで大いに声を発する役回りにも関わらず
声を枯らすことなく、最後には力強く勇者を鼓舞する、あの情景には感動を覚えました。

さてそんなイベントだが「ライブスペクタクル」とあるように
観客を巻き込んだ演出も多数用意されていました。

演劇のステージが始まる前に行われた前説で観客を盛り立て、時には客を弄るなんてのもあり。
私が行った公演では、テリーのコスプレをした観客に、面白く弄っていたのが印象的でした。
その後、劇が始まってからも、「ラーの鏡」を使った客イジリが行われたり
観客を巻き込んでのアドリブの愉しい展開がふんだんに行われていました。

dragonquestlive_01

今回鑑賞した理由は演劇+プロジェクションマッピングが気になって

今回、どうして演劇も嗜まないような私が見に行ったのか?
もちろん、ドラクエはプレイしたことがあり楽しんだ記憶もあるからではありますが。
それはひとえに「演劇+プロジェクションマッピング」という技術に興味があったからです。

では、どうして今回の演劇でプロジェクションマッピングを演出として用いたのか。
理由は観客席とステージ、そして置くことができないセットにあると私は考えています。

というのも場所が室内競技用施設で中央の競技スペースにステージを設け
観客席は周囲を囲む演劇スタイルをとっています。
そこで困るのが「セット」です。

セットは世界観を演出し、キャスト達がどこに今立っているのかを
観客へと伝えるための言葉の無い演出道具です。
通常なら城が舞台となるなら、城のカキワリを並べ。野原なら草木を並べたりして舞台を演出します。

が、今回の劇場では全周囲から見られるため、カキワリでは
一方向からの観客へと見えづらくなり、演劇を楽しむことができません。
そこでプロジェクションマッピング用の天幕をうまく使い
カキワリを必要としない舞台演出を行うことに挑戦したのだと思います。

実際、プロジェクションマッピングはセットを演出するだけでなく
ドラクエで登場する呪文や技の派手なエフェクト効果なども表現する場所として多用されており
派手な演出を実現させるために必要不可欠と言えます。

とは言えプロジェクションマッピングは何かに投影しなければ映しだされないもの。
それを可能にするため利用されたのが、先程も紹介した天幕です。
ステージ上を十字に切るように(正確には怒りマークや「井」という字)天幕が並んでおり
必要な演出によって天幕の長さを調整して、プロジェクションマッピングの映像を映し出していました。

結果として、場面展開が激しいながらも、時と場所を上手くリンクさせた演出が可能となり
展開の早い劇を楽しむことができ、セットとしての役割を実現することができたと言えます。

プロジェクションマッピングの演出で輝いていたのは「スライム達」

そして、そんなプロジェクションマッピングを上手く実現していたのが
序盤のスライムとの戦闘シーンです。

スライムの着ぐるみをステージ上へと登場させるだけでなく
プロジェクションマッピング上にもスライムを映し出し
キャストが剣を振るうに合わせて、撃破する演出をプロジェクションマッピング上に投影していました。

天幕と天幕との間にキャストがいるのに、天幕に邪魔されることなくキャストが透けており
スライムとの戦闘を上手く表現できていたと言えます。

その演出の最たるものが中盤に登場する「オルテガの戦闘シーン」
勇者の父であるオルテガが、ヤマタノオロチと戦闘を繰り広げるシーンなのですが
ヤマタノオロチの巨体はプロジェクションマッピングで描き
キャストが演じる勇者オルテガとの激しい戦闘シーンをダイナミックに創りだしていました。
プロジェクションマッピングを導入することで、激しい戦闘という演出もできる訳です。

基幹的技術のプロジェクションマッピングも万全ではなかった

とは言え、すべてがすべて万々歳という訳ではありませんでした

というのも私はアリーナ席の上の方に座っており、位置的には高所でステージを見下ろす鑑賞でした。
その結果、天幕が降りていて対角線上に配置されたキャストがいる場合
残念ながら天幕が邪魔をして姿を確認することができなかったのです。

dragonquestlive_03

詳しく説明しますと、プロジェクションマッピングを映すための天幕は十字。
「怒りマーク」や「井」に近い形で、二重線によって並行に配置されていたと思われます。

この場合、前後左右に真横。という位置から鑑賞するなら
天幕も計算されたように配置され問題なく透過して演出を見ることができるわけです。
しかし、対角線上に見ようとする場合、二重線の天幕を複数回横断する必要があり
天幕が視線に被ってしまいキャストを覗く障害になっていたのです。

まあ、一部の演出であり。すべてがすべて観づらかった。という訳ではありません。
実際、キャストの皆さんはそういう部分も踏まえて理解されているようで
ステージ上を縦横無尽に動きまわり、全周囲の観客へと姿を晒すように心がけていたように見えました。

プロジェクションマッピングの設置としては、セットの組み立てや足場などの問題から
今の形以外により良い設置方法は考えられなかったのでしょう。
というのも、大阪だけでなく日本全国でさまざまな会場で公演する以上
施設の大きさに合わせて対応できるステージでなければならなかった訳です。
そういう意味で、会場の大きさに左右されない今の方法が一番だったと言えるのかもしれません。

とは言え、先程も書いたように対角線上はとにかく見づらくなっていました。
そうなると100%楽しもうとした時、どうしても席による優劣は生まれるように思えてなりません。

見辛くなる原因は、天幕を二重にして使っていることから
対角線を見た時、二重×二重で「四重」に重なって天幕が出るため
どうしても視界を遮ってしまうことが問題だったように思えます。
まあ、他の部分でステージを見れた訳ではないので、どこでも同じように見にくかった。
という可能性も少なくありませんがw

「ドラクエツアー」に参加して良くなかったのか?

だが、プロジェクションマッピングを使った演出を含めて
新しい体験に終始ドキドキさせられっぱなしでした。
戦闘シーンや世界観の演出、カキワリの役目などなど。大いに利用されており
今後さらにこういうプロジェクションマッピングを使った演出というのは
多様されていくことだろうと思わせてくれるほど、新しい体験できたのは喜ばしいことでした。

実際、作りこまれたグラフィックと相まって雰囲気がよく観客にも伝わりますし
派手な戦闘シーンの演出も見ていて興奮するものでした。
戦闘シーンでドラクエの代名詞である「メラゾーマ」という呪文を使うとします。
これまでの演劇なら、赤色ライトをスポットで当てる程度だったでしょうが
プロジェクションマッピングの場合にはスクリーン上に火球が放たれる演出が入り
演出としての見応えも大いに違うものとなっていました。

あと、登場うるモンスターは種類豊富に登場しステージ上を賑わせてくれます。
キャストと戦闘シーンの殺陣として絡む場合は、動きやすい形が必須となり
仰々しい形のモンスターは登場しませんが、がいこつけんしやバーサーカー、マミー、ガーゴイルなど
戦闘シーンによって様々なモンスターが登場し、勇者達と絡んで戦闘を演じます。
あまり積極的に戦闘に絡まずのモンスターなら「ふなっしー」形式でマタンゴなども登場し
ドラクエらしい世界観を彩ってくれていました。

ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアーは感動の終幕へ

さて、演劇はさまざまなパートに別れて物語が進み
ゲーム中に起こりえるイベントを取り込みつつ、大いに観客を引きつけてくれました。
そんな中で個人的に気になったのを紹介させていただきたいと思います。

入場した時から客席に機器が付いたリストバンドが置かれていたのですが
このリストバンドを使った演出が秀逸だったと感じます。
リストバンドは光を点滅させるもので劇中のイベントに呼応して光り輝きます。
イベント時は客席全体が光出すため、壮観であるとともに美しくもあり
明滅する光が客席を飲み込んだ一体感によって印象的なシーンを創りだしていました。

それだけもったいぶった使用方法をするため後半にしか登場しないのですが
正直、もったいなかった。ように思えて仕方ありません。
中盤当たりにて闘技場のシーンがあるのですが、ここで客席を二つに分ける演出がされます。
二つに分けて「青組」「赤組」として応援合戦をするイベントです。
この時にリストバンドを組ごとに光らせて応援する。という演出があっても良かった気ように思えます。

まあ、リストバンドの明滅具合を観察させて頂くと
スイッチのオンオフと白発光、もしくはランダム色に発光。ぐらいしか種類がなく
細かなプログラミングなどはできないのでしょう。
予算もあることですから、リストバンドを凝ってしまえばコストも掛かる分けで
複雑な機能を持たせることができず、仕方ないと言わざるを得ないのかもしれません。

他にもありまして「バラモス」や「ゾーマ」ボス登場シーンです。
自分の席の都合などもあるのですが。登場した当初、残念ながらどこに登場したのか不明でした。
せっかくの登場シーンを見逃した感があって残念に思えました。

満を持して登場。というのに、私の中では「え?どこ?」
視線をウロチョロさせていたのは情けなかったです。

せっかく、プロジェクションマッピングという技術があるのだから
ユーザーの視線を集中させたい時には、漫画の効果線などの技術を用いて
観客の視線を集める用途を加えてもよかったのではないでしょうか?

駄目だしだけでなく、心が踊った部分も紹介させていただきたいと思います。
実際は愉しい良いイベントだったのは言うまでもありません。
その中で、最初に心を奪われたのがドラクエシリーズの歴代の勇者に扮したキャストが
スポットライトに照らされポーズを決めた瞬間でした。
勇者が集ったその瞬間があまりにもかっこ良すぎて気持ちを持って行かれました。
そしてそんな勇者達が最後に……。これはイベントに参加していないと味わえない興奮です。
歴代の勇者達の登場は神々しくてホントにかっこ良かったです。
そして何よりキャラクターに忠実だったのが尚よかった!

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