elude丸

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漫画「アリスと蔵六」子供だけでなくオトナ視点も含めた面白さ

      2017/05/18


変革する世界にて特殊能力に翻弄される子供たちと向き合う大人の物語

先日、NTT西日本からネット回線で使っているサービスの終了のお知らせを受け
新しいサービスへの移行ということで、いろいろと電話のやり取りを行った中で

「ポイント溜まっていますけど、このまま行くと失効してしまいますよ」

という話を伺った。そこで余っているポイントを急遽、電子書籍に使えるポイントへと交換し
以前から気になっていた漫画を全巻購入という形で揃えてみました。

今回はそんな急遽手に入ったポイントで全巻を揃えてみた漫画
「アリスと蔵六」について感想を書いてみたいと思います。

まあ、先に書いておきますが私の感想が参考になるかどうかは不明です。
この感想文もまた、一個人の私からの視点でしかなく。
それは同時に、数多いる読者の一つの視点にしかならないからです。
そういう意味では過大評価もされるべきでは無いし。
「そういう風に見てるんだ」程度にとどめてほしい部分でもあります。
特にあまり感想文が好きだっという訳ではないので、勉強がてらという部分もあるためです。

アリスの像

さて、本日紹介したい漫画というのは今井哲也さんの「アリスと蔵六」という漫画です。
なかなかにマイナーながら、作りこまれた世界観とともに
その独特の「アリスの夢」という特殊能力の設定が大変に面白いです。

著者:今井哲也「アリスと蔵六」(連載:月刊COMICリュウ)発行:株式会社徳間書店

【あらすじ】

「研究所」から脱走して、初めて「外の世界」を知った少女・紗名。
彼女は【アリスの夢】と呼ばれる超能力の持ち主。
しかし幼くて未熟なため、能力を使いこなすことができていない。
途方に暮れていた彼女が出会ったのは【花屋のじいさん】蔵六。
超能力も何も関係なく「悪いことは悪い」と説教してくる蔵六との出会いが紗名の運命を、そしてこの世界の運命をも大きく変えていくことになる。
第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門“新人賞”受賞作品!!!

物語の始まりは、蔵六という初老の男性が一人の少女「紗名」と出会ったところから始まります。
そこから、少女が持つ不思議な能力「アリスの夢」のことを知るとともに
巻き込まれる形で変革する世界の一端に触れることになっていくのです。

世界が新しい形へと変革を行おうとしている狭間の世界で藻掻き苦しんでいる少女たちの物語であり
そこに大人としてどのように関わっていくのか
そんな別視点をあえてエッセンスとして加えた。そんな試みを感じられる作品です。

この漫画、個人的に面白いな。と思うところが
基本的には少女である「紗名」によって物語は展開し、さまざまな人へとふれあいながら
その関係性を広げ発展する形で少女の成長によってストーリーが展開していきます。

こういうジュブナイルというか、少年少女の物語を描いた少年誌向けの作品というのは
基本的には「少年少女」年代層で物語が完結され、大人というのは当事者ではなく
助言を与えたり、付加要素を与えたりする。補助的な役割で展開することが多いものです。
つまり、大人は空気であり、大人が割って入ったりすることはほぼほぼないのです。
それは読んでいる読者の視点を「少年少女」へと固定するためだと思います。
感情移入する先がぶれては、物語の基軸もブレブレになりやすいため。
複雑にさせないために、余計な情報は排除する形で展開をさせているのです。

ですが、タイトルにも名前が入っている「蔵六」に関しては当てはまりません。
物語内で詳細に語られ、描写もされます。どういう仕事をしているのか
どんな人物であるのかを紹介するために、事細かくそして鮮明に役割を与えられています。

どうして細かく設定されているのか。そこには蔵六で出会った「紗名」という少女を
よりよく成長させるため、成長を見守る信頼できる大人として描くために
必要だったからです。私はそういう風に見ています。

そのために、蔵六が抱いている「紗名」への本当の家族とも言える愛情は
端々で見受けられることができます。
そして、その愛情があるからこそ、しっかりと躾が必要な時には声を荒げて叱ることをするのです。
子供を愛するとはどういうことなのか。すべてを受け入れるのではなく
その子供が大人になった時、恥ずかしくないように育てるために……。

そんなジュブナイルだけでなく、大人の視点も含まれた
二つの視点で楽しむことができる漫画だと言えます。

その二つの視点を持っているがために
私のような大人が読んでも十二分に感情移入できる部分があり楽しめる漫画となっています。

子供とオトナの視点が織りなす世界観の「アリスと蔵六」

漫画はいくつかの章に別れています。
1~2巻紗名と蔵六が出会うところから、3~5巻紗名と友達との出会い
6~最新刊の7巻までは、物語の根幹でもある「アリスの夢」というものについて。

そういう意味では、すべてが連続している訳ではないので
まずは「1~2巻」を購入してみて。という体験版形式でのオススメができる漫画と言えます。
それ以降に興味を持てば、少しずつ章ごとに書籍を購入して続きを楽しむ。
というのも、オススメできるポイントかもしれません。

まあ、裏のことを想像すると。なかなかに売れるかどうか分からない。ということで
パイロット版として章区切りにすれば、いつでも打ち切りできるかも。
という思惑があったのかもしれません。 …個人的な想像ですが。

絵柄に関してはデフォルメを効かせた雰囲気を持ったキャラクターのため
特徴的な部分がなくなると、このキャラ、誰だっけ?と困惑する自体も少なくありません。
しっかりと、その点は様々なオブジェクトを使って認識できるように気遣いがありますが
慣れるまでは難しいかもしれません。慣れてくれば気にせず読めるのですが……。

超能力バトルなどもあったり、悲しい過去を持つキャラクターなどもいて
そんな状況でもなんとかぶつかっていこうとする紗名の健気さに笑みが溢れることは間違いない。

読者層としては、結構私と同じくそれなりに社会も経験し、若手ではなく。
中堅と呼ばれる位の年代層はもしかすると、二つの視点のお互いをよく分かるので
楽しく読むことができるかもしれません。

今回、アリスと蔵六を紹介したのは他でもありません。
実はテレビアニメ化が決定しており2017年には放送される。とのことです。
それに先駆けて、紹介したかったのです。

ということで、アニメ化されて動く「アリスと蔵六」も期待しております!

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