elude丸

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PS4「仁王」の最終体験版から感じるコーエーテクモゲームスの本気度合い

   


仁王の体験版が3つも出たのはコーエーテクモゲームスの本気

先日、公開された「仁王」最終体験版を無事にクリアしました。
が、その時に感じたことなどをちょっと綴ってみたいと思います。

「仁王」の体験版、というと以前にもこちらで記事にしています。
内容としては体験版プレイの操作感であったりゲーム性などをメインに
どうしても気になってしまう「あのゲーム」と似ている部分についていろいろと書かせて頂いた。

さてさて、実は今回で「仁王」の体験版は3バージョン目あたる。
「α体験版」「β体験版」。そして先日公開された「最終体験版」の3つである。
正直、「体験版」という括りにおいては異例の展開。

基本、体験版というのはゲーム販売に先駆けてゲームのプレイを楽しんでもらい
ゲーム購入へとつなげるための、ある意味で宣伝・無料お試しプレイ。という観点が強い。
なので、ゲームの序盤(起承転結で言えば、「承」ぐらい)をプレイさせて物語に惹き込み
続きを楽しんでもらうために購入してもらう。という手段に使ったりもすることが多い。

しかし、体験版の宣伝効果としては1バージョンの体験版だけで事足りる
にも関わらず「仁王」では合計3バージョンも公開しており、プレイヤーに遊ばせている。

一体どうしてだろうか?という疑問からくる
コーエーテクモゲームスが取るマーケティングとその戦略について推察してみたい。

体験版3つの展開から見せるコーエーテクモゲームスの販売戦略

そもそも、「仁王」というゲームはどういうゲームだろうか?
以前紹介した記事にて詳しく書いているので、簡単に触れる程度にするが
主人公が落命しながらも体で覚えながら戦闘を繰り広げステージボスを撃破する。
俗に「死にゲー」とも呼ばれるジャンルに分類される骨太なアクションが魅力のゲームである。

つまり、アクションを難易度高めに設定することで程よいストレスをユーザーへと与え
それを打ち破り突破して得られる達成感をゲームプレイヤーの動機付けに紐付けている。

ユーザーの動機付けというのはRPGで言う奥深いストーリーであり
アクションゲームでは華麗な立ち回りで敵を撃破する爽快感。などがそれに当たる。
ユーザーをまた遊ばせたくなる原動力でもある。

つまり、「仁王」において必要なのは、程よい難易度とクリアした喜びを爆発できる達成感。
それらを程よいバランスで組み込んだゲームでなければならない。
ゲームバランスを取ることの難しさというのは言うまでもない。

プレイヤーによってゲームスキルは異なり、苦手な人もいれば得意な人もいる。
ユーザーのゲームスキルの平均を取ったうえで平均よりも少し高め、だが決して難しくし過ぎない。
という部類でなければならない。

そういうゲームバランスに根幹とも言える部分について統計をとり、平均化するために
「仁王」というゲームは三回もバージョン違いの体験版を提供しているのではないだろうか?

体験版3つも賭けてきたコーエーテクモゲームスが仁王へみせる本気

しかし、どうして体験版を3バージョンも作る必要があったのだろうか?
ゲーム開発段階でバランス調整をするために1バージョンを配信するだけで統計は取れるはずだ。
にも関わらず、残り2回も別バージョンの体験版を配信しているのはなぜだ?

初期バージョンの「α体験版」はゲームバランスの統計を取るためとすると
プレイした後、アンケートを求められたのにも頷ける。

では、その後に来た「β体験版」はどういう役目があったのだろうか?
これは「α体験版」でゲームバランスを見なおした後のテストマーケティング的な確認があったのではないだろうか。

その後、諸々の調整を終わり製品版と同一のゲームバランスをとった「最終体験版」となっている。
つまり、仁王の「最終体験版」が通常のゲームにとっての「体験版」という側面を持っている。

しかし、「3バージョン」も体験版を作ってゲームバランスを調整するって気にし過ぎでは?
と感じるかもしれないが、今のビジネス市場においては当然の処置かもしれない。

なぜならSNSやECサイトの評価投稿などによって
多くのユーザーによってゲームの感想がすぐさま出回る時代になっている。
その上、ゲーム一本の販売状況は「発売初日」が最も高く興味を持たれるが
その後は興味が下降しながら薄れていき、やがて来る次の新作へと興味が移っていく。

発売からしばらく経った後に興味をもって購入を検討する人の多くは
SNSやECサイトの評価投稿などを閲覧してその評価を確認することになり
評価が悪ければ購入されないケースの方が増えてしまう。
そうなっては、マーケティング的に失敗する恐れもある。
それならば開発段階でしっかりとゲームバランスを調整することにコストを使うことを選択したのかもしれない。
そういう意味ではこの仁王というゲームに関して、コーエーテクモゲームスの本気度が伺える。
ここでヒットさせるとともに、今後さらにシリーズ化を目指しているのかもしれない。

しかし、体験版をやりすぎたことによる残念な部分も見えてきた

では、そのゲームバランスのプレイしてきて、バージョン毎の違いを感じられたか?というと
実はあまり感じていない

というのも、一度でもプレイをすると「ゲーム経験」が息づいてしまう。
それは「ゲームの慣れ」でもあり、効率的にゲームを進める経験でもある。

つまり、3バージョンも体験版を遊んでいると
どうしても効率的なゲームの進め方を記憶してしまう。
最終体験版では序盤こそは勘を取り戻すまで苦労したが、後半は落命することなく
ボスまでたどり着くことができた。(さすがにボスでは2度ほど落命をしているが)

実はココに体験版大量投下の問題点が隠れているように思えてならない。
それは製品版の楽しみが削れてしまう。ということ。

3バージョン共、それぞれ異なるところを楽しむことができた。
つまり、アクションを楽しむステージはそれぞれ異なるわけで
それぞれのステージで待ち構えているギミックも体験版をプレイした人にはバレてしまう。

そういう意味では製品版で味わえる真新しい新鮮な体験。というのが損なわれてしまうことになります。
だからと言って、同じステージばかりを体験版で提供していては
ユーザーとしても納得できない。

が、それは同時に製品版の前借りをしているだけでしかない。
そう考えると体験版の数が増えると、製品版の真新しい経験を楽しむ機会を削っていることになる。
そういう意味では体験版だけのステージ、というのを期待したいところではあるが……。
現在のゲーム開発から考えて、体験版だけにそんなコストをかけられるわけもない。

そう考えると今回コーエーテクモゲームスが取った
3つの体験版というのが良い数。と言えるのかもしれない。

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