elude丸

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書籍「サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠」日本も良く見ればサイロと言える

      2017/03/26


書籍:サイロ・エフェクト高度専門化社会の罠。サイロ化の実態が克明に

最近、サイトの流入を見ているとどうにもこちらの記事へと
流入してくるユーザー様が多いようで、なんでだろう?
と、すこしばかり調査を行ってみた。増えている記事というのがコチラ。

サイロ化という考え方は組織体制を考えるときに役立てる

どうやら「サイロ化」「サイロ」などのキーワードにて
リンク元である「東洋経済オンライン」よりも上に出てくる順位結果が多いようで
結果として、解説記事などを求めて読みに来ていただいているようです。

そうなると、少々申し訳ないのが記事を紹介したコンテンツではあるのですが……。
書籍自体の感想文ではない。ということです。

どうして上位に上がっているのか?という分析としては
書籍を書かれた著者さんが「人類学(人文学)+ジャーナリスト」という経歴を持っており
「人文学」「人類学」などの稀なキーワードを私も何回かサイト内に使っていることから
それに結びつけてGoogle側が判断し順位があがっているのでは?と推察しています。

まあ、そんな分けで著書「サイロ・エフェクト」の感想だったり、意見だったりを読みに来ているのに
ただの紹介記事を個人的に取り上げているだけ。という部分で申し訳ない気持ちが募るわけです。

そこで、もともとこの書籍にも興味があり、時間を見つけて読んでみたい。
と思っていたこともあり、それならば良い機会なので
書籍を購入し、読んだ上でしっかりと感想などを書かせていただこうと思い立ったわけです。

著者であるジリアンさんの変わった経歴・人類学+ジャーナリスト

個人的にはビジネス書籍だと認識して読みはじめたのですが
著者であるジリアンさんの特殊な経歴に、思い入れず興味関心が募りました。

それが先にも書いた「人類学」を履修されていたという経歴です。
私は人類学に興味関心があり、そういう書籍を読むのが好きなのです。
(大学などで勉強したことはないので、ニワカと言われても仕方ないけどw)
そして、次のような意見を述べられており
「あ~、わかるわかる」と個人的に共感させて頂きました。

私を含めて一度でも人類学の研究手法を実践した者は、生涯その視点を失うことはない。人類学を学ぶと、世界の見方が変わることが多い。
<中略>
人類学にどっぷりつかったことのある者は、生涯にわたってインサイダー兼アウトサイダーであることを宿命づけられる。

私も仕事ではSEOをさせて頂いているのですが
SEOの仕事の大半は情報分析や解析などでデータを掻い摘み。そこに真理があると信じて突き詰めていく。
情報分析だったり、解析というのが私も好きであり得意であると感じていたことがあり
人類学も好きだということから、上記のような言葉に共感を覚えるわけです。

そんなジリアンさんはジャーナリストとして仕事をされていた。という部分が良く書籍にも現れています。
難しいビジネス・経済学。それもミクロやマクロなどの経営学に関する内容を多分に含まれています。
ですが、上記でも紹介したようにジャーナリストとして働いていたこともあり
大変読みやすく、分かりにくい門用語なども解説を挟みながら、しっかりと解説されています。
私自身が詳しくない分野なのですが、十二分に受け止めることができました。

専門家が書く専門書というのはなかなかに当たり外れが多い
分かっていることが前提で専門用語を使われることも多いため理解できていないと
読むことが苦痛になることも少なからずあります。
そういう意味ではジリアンさんが書かれた「サイロ・エフェクト」という書籍は
難易度が高くなく、個人出来は大変読みやすかったビジネス書と言えます。(個人的感想ですが)

読みやすかった理由として、書籍の構成というのも少なからずあるでしょう。

実経済で起こった「サブプライムローン」などの問題から
企業「ソニー」「UBS銀行」などの団体の実情を紹介しながら
どうして「サイロ化によって問題が起こるのか」という部分を前半に紹介し
サイロ化の問題点を明確化されています。

その後の章で、サイロ化に立ち向かった人たちや団体へと視点を移すように紹介され
どうやってサイロ化を防ぎ、サイロ化に立ち向かったことで、どのような結果を残し
どのような功績を築くことができたのかという構成がされています。

この構成のおかげで読者は読み進めながらサイロ化の問題点、サイロがどう悪影響を及ぼすのか
そして、サイロに立ち向かうことの難しさ、サイロを意識した企業組織など。
順序立てて理解を推し進めることができるよう考えられているのです。
その結果、読みやすいとともに、理解しやすいと感じることができるわけです。

サイロ化することが悪ではないということが重要

そして、大事なことのため書籍のはじめの方に
このような一文を著者であるジリアンさんは書かれています。

本書の立場は「反サイロ」ではない。サイロはすべて悪いとか、サイロ禁止令を発動せよ、なとというつもりはない(それが魅力的な選択肢に思えることもあるが)。むしろ本書は、現代社会にはサイロが必要であるという認識から出発している。

という言葉を唱えておられます。

「サイロエフェクト」という著書でありながら
「サイロ化反対ではない」と紹介していることの矛盾を感じるかもしれません。
ですが、人類学・人文学の観点からどうしてもヒト種というのは
サイロ化することの必然性を紹介しています。

つまり、ヒト種というのはサイロに囚われやすく、サイロを作ることで進化してきたといえるわけです。
そこで私の解釈ではありますが「サイロ化=悪」ではなく
サイロ化していたとしても、しっかりとその関係を横断できるだけの方法を
模索することで、サイロ化しながらも効果的なコミュニティを作ることができるわけです。

ですが、それを行うためには常にサイロ化を意識し
サイロ化しないための方法を模索し、さまざまな方法を試みなければならないようです。
それを実施している「Facebook」という企業のように。

サイロ化したことで失速したソニーとサイロを意識し続けるFacebook

書籍内では実際にあった、いくつかの企業と団体の事例を元に
それぞれ章分けしながら紹介しています。
登場する人物一人ひとりの状況であったり、経歴などにも触れられており
細やかなインタビューによって繊細な取材活動が続けられてきたのだとわかるほどで
実名などを取り入れることで真実味が存分に理解できます。

そんな事例の中に日本企業でもある「ソニー」が含まれていること、なんとも感慨深いものがあります。
当時のソニーがどうして、どのようにしてサイロ化され
結果としてどのような形で企業組織が動きづらい形へと変わってしまったのか。
というのが、詳しく描かれています。

そして、書籍を読み進めて行くとそんなソニーにならないため努力する企業が紹介されています。
それが大きく成長を見せている「Facebook」なのです。
努めてきた「サイロ化しないコミュニケーション」というのはなんとも興味をソソられます。
人員が増えることでサイロ化してしまう局面を
しっかりと内部で管理し、サイロ化してしまわない方法を模索しながら
多くの労力をそこに費やしつつ、より良い企業へと成長できるように
細心の注意を払っていることが存分に頷けるのです。

実は「日本人」というサイロにハマっていることを知ろう

出てくる企業や団体の多くが「巨大組織」であります。
となると、どうしても出てくるのが

「うちは中小零細だから、関係ない話だよね」

という風に感じるかもしれません。
ですが、サイロ化というのは、企業や団体だけで収まる話ではない、と言わせていただく。

例えば、サイロ化の基準を大きくしてみて下さい。
そのサイロが「日本」とした時、あなたも一員であるわけです。
日本には凝り固まった文化があり、それによって海外から見た時には
サイロ化している、と見られる部分も少なくないはずです。

日本人が常識だと思っている部分はサイロ化された常識でしかなく。
海外から来た観光客には、馴染みのない常識でしかない。その結果、奇妙な風習や慣習が溢れています。
それらは決して「悪」ではありません。が、それを外部へと紹介する努力をしなければ
どんどんサイロ化は進んでしまい、せっかく日本に興味を持ち
日本を知りたいという人たちに対しても、冷たい態度を取ってしまいかねません。

例えばお辞儀。謝辞の意を示すために日本人が取る行動の一つですが
海外の多くでは頭を下げる。という行為はあまり行われません。
言うまでもありませんが、頭はヒトにとって重要な器官で
それを相手に差し出すというのは危険行為でしかないからです。

そのため、日本文化でもある「漫才」。ツッコミがボケ担当の頭を叩く。
というのも、信じられない文化の一つであり、受け入れられないお笑い文化と言えます。
これは日本人というサイロエフェクトによってもたらされているにすぎません。

ですが、「漫才」には可能性があるように思えます。
短いネタでお客様を引きこむためにはツッコミという文化があります。
お客様に共感して頂くための先導役がツッコミなので
短時間というネタには必要不可欠な存在なのです。

そういう意味では、「日本」というサイロに置き換えて考えた時
「漫才」という可能性を海外へと売りだすビジネスも
一つあり得るのではないか。と思いつくわけです。

サイロエフェクトというのは、自分が所属している様々な企業・団体・グループなどに
当てはめていくことで、少なからず身近にあることを感じることができる問題なのです。
そんなサイロエフェクトを見極めることができれば
もしくは新しいビジネスへと結びつけることができるかもしれません。
自分が属している団体を企業や身近なグループだけに縛るのではなく
もっと大きな団体などに目を向けてみると、たぶんビジネスチャンスがあるように思えます。

しかし、最後にちょっとした言い訳を……。
これまで「書籍」カテゴリーに登場させているビジネス本などは
現物を購入していることを表すために書籍の写真を利用を貼り付けておりました。

しかし、今回紹介した「サイロエフェクト」では残念ながら利用しておりません。
というのも、今回初めてAmazonが提供している「Kindle」にて
電子書籍という形で購入をさせて頂きました。

そのため、現物購入アピールがしずらいために、今回は写真無しということです。
今後も現物購入した場合には現物アピールをさせて頂きますので
今回ばかりはご容赦を頂ければと思います。

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