elude丸

日々の思い描くことをツラツラと綴るブログ

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帰属先を求める人類だからこそ日本人は会社という帰属先を得た。が新世代はそうではない

      2017/06/26


新世代が「残業」しない理由は帰属意識が醸造されていないから

最近、日々の中で面白い本を読ませて頂いています。
それが「サピエンス全史」というもので
書籍ジャンルでいうと人類学の専門書となるのですが
帯にはあのビルゲイツも読んだと謳われており興味を持って購入してみたのですが
「なるほど、ビル・ゲイツも興味を持つ本だ」というのが率直な意見です。

書籍に関してはまだ上巻の終盤で、下巻も購入予定で手を付けていない状況。
時間は掛かりますが、読み終わったあとにはしっかりと感想を書かせていただく予定ではあります。

しかし、読んでいる中でいろいろと思いつくこともあったので
過去の私の投稿と合わせて感じたことがあるので忘れないうちに書いておきたいと思います。
そんな投稿した記事というのがこちらです。

書籍「完全残業ゼロのIT企業になったら何が起きたか」悪しき経験は悪しき実体験に繋がる

IT企業の完全残業ゼロを実現した社長さんが書かれた本で
読んで感想を書かせて頂いた記事になります。

さて、そんな「残業」とどうしてサピエンス全史がつながってくるのか。

サピエンス全史の中に次の一文があります。

ホモ・サピエンスはどうやって<中略>限界を乗り越え、何万もの住民から成る都市や、何億もの民を支配する帝国を最終的に築いたのだろうか? その秘密はおそらく、虚構の登場にある。厖大な数の見知らぬ人どうしも、共通の神話を信じることによって、首尾良く協力できるのだ。

これは人類はどこかに帰属することによって
集団行動であったり、集団で物事に当たるだけの方法を見つけたことが
大きく人類を発展させることにつながり
それを成し遂げたのが「宗教」であったという考えになります。

これには大いに理解できます。
中世ではあれば「聖戦」などと呼び、大きく国を侵略する戦争も行われていました。
今の現代でもISISが宗教を高々と掲げ、テロ行為を正当化するようにして宗教を利用しています。

人類は「宗教」という帰属先を作り上げることで
それまでの人類がなし得なかった大人数での行動を可能にした訳です。
と、いうのが人類学の話で、「サピエンス全史」で書かれている内容です。

で、そこで私がフッと思い至ったのが

「日本人には無神論者が少なからずいるが。では日本人はどこに帰属したのだろうか?」

と感じたのです。

そんな私が帰結した答えというのが

「日本人はバブル期の経験によって宗教から、会社へと帰属先を変えたのではないか」

というものに至りました。
その考えについて詳しく紹介を行いたいと思います。

日本人の多くが宗教から会社へと帰属先を変えたからこそ仕事人間が増えた

日本人はバブルの絶頂期を経験することで
大きく「宗教」から自分の財布事情を豊かにしてくれる「会社」へと
集団グループへの帰属意識を深めていったものと考えるのです。

その結果、日本人は宗教への帰属意識よりも、自分たちが所属する会社への帰属意識を深くし
そちらがより良い帰属先だと感じ、無神論者が増えたのではないでしょうか?

そんな日本人の帰属先が「会社」へと変わったところでバブルが弾けてしまいます。
その結果、帰属先としていた会社がピンチに陥る訳です。
ならば、そこに帰属している社会人がするのは「帰属先への奉仕」ではないでしょうか。

「帰属先への奉仕」として行われるのが「残業」という労働です。
帰属先の会社のピンチを残業という奉仕によってなんとか支えようとするのが
日本人の社会人の当然の行為、そして義務と考えており
疑問を差し挟む余地なく、景気が徐々に回復するまで当然のように続いてきました。

残業という奉仕を受け入れない新世代の社会人の帰属先は?

さて、そんな「残業」という奉仕を続けてきたことによってなのか。
緩やかに日本は景気が回復しはじめ、時代が進み、社会人の世代も進みます。

そんな新世代の社会人は、それまで当然のように行われてきた
「残業」という奉仕を敬遠する人材が増えてきました。
帰属先となった会社への奉仕として「残業」を当然の義務として過ごしてきた
旧世代のベテランサラリーマンからすると、なんとも使えない新人、と思われるかもしれません。

ですが、その実は新世代の帰属先がすでに「会社」ではなくなっているからだと考えます。
ならば、新世代の帰属先とは一体なんでしょうか?

これは簡単です。

「インターネット」という概念なきコミュニティへの帰属

です。

「インターネット」としましたが人によってその形は異なります。
SNSで投稿し、いいねを獲得する「承認欲求」を求める人もいれば
インターネット内で同じ趣味同士で話題を共有するクランなど
その形や参加方法は様々です。

その帰属先は今まで以上に多岐に渡っていると言えます。
さまざまな帰属先が複雑に絡みあい、新しい帰属先を見つけては
古い帰属先から脱退などを繰り返しながら帰属先を組み替えて生活しています。

それは情報社会へと突入したことで多くの情報を処理し
さばけるように人類がなったことで拡張してしまった「帰属先のメモリ化」だと考えます。

メモリとはパソコンの記憶領域のことで
情報を保存し、時には開放する機能部分のことです。
そんなメモリ機能のように帰属先を都合よく入れ替えながら
新世代は生活を続けているのだと私は考えるのです。

その結果、「残業」を会社への奉仕として当然の義務と考えるベテランサラリーマンと
会社への帰属意識の薄い新世代との間には考えの溝が生まれていることに気付かないのが問題です。
ベテランサラリーマンが、残業を強要することによって
新世代の社会人は「残業」を強要されていると思い
結果として帰属意識を持たなければならない会社へと負の感情しか抱かなくなってしまいます。

そんな意識の溝というのは埋めることは容易ではありません。
そして、何より埋めるという行為以前に、この溝というのはさらに世代が進むと
深く広く広がっていくものだと考えています。

と、考えたとき。会社を長く存続させ、会社をより良く育てたい。
という社長さんの場合、早々に「残業ゼロ」を実現するべきだ。ということです。

残業ゼロを実現することで帰属意識の醸造を実現すること

なぜなら、今後、帰属先が会社でない新世代が増えていくとなると
今まで通りの「残業」があたりまえの会社運営では
新世代の人材が集まらず、必然的に人員不足が継続することになり
会社は窮地へと追いやられていくことになることだと考えるからです。

しかし、中には新世代でもしっかりと残業し、仕事をする社会人も少なくありません。
そこにあるのは、しっかりとした「帰属先意識の醸造」があるからだと思います。
先にも紹介したように新世代は「帰属先のメモリ化」が進んでいます。
しかし、メモリであり、帰属先を上書きすることも難しくないわけです。
ならば、しっかりと帰属先意識を植え付ける準備と意識の醸造を段階を踏んで進めていけば
新世代でもしっかりと「残業」できるようになるのだと思います。

そんな醸造過程において、ベテランサラリーマンは過ちを犯しやすく
「残業」が常態化してしまっているからこそ、「残業」しない新世代を怒りを持って対応してしまい
時には残業を強要し、残業しないことに嫌味を言ったりすることも少なくありません。
こうなっては、どうやって帰属先意識への醸造ができるというのでしょうか?

そういう意味では「帰属意識を醸造」させるためにも
社員が働きやすいように会社全体を改善していく。ということは
決して無駄なことではなく、よりよく帰属意識を醸造することができ
社員の労働をより良く導き出せるようになるのだと考えます。

そう考えると、海外のIT企業などは会社運営において
十二分にその考えを取り入れており、より良く会社で働けるように
共用スペースを設けたり、社員同士が自由に使えるスペースを設置したり
働く時間をより自由に設けられるように働きかけたりしているところもあります。
「帰属先の醸造」というのを十二分に意識しているのだと言えます。

そんなことをサピエンス全史を読んで感じ取った私は
ビル・ゲイツがこの本を読んでいたことに関しても、納得させられてしまったわけです。

 - ヨモヤマ, 書籍