elude丸

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漫画「異世界居酒屋のぶ」は日本人の帰属意識を刺激し自尊心を擽るから楽しめる

   


異世界にて日本料理に舌鼓を打つ姿が日本人の帰属意識に作用し楽しさ倍増

人は何かに帰属するもの。そう考えると日本人である我々は「日本」に帰属しているわけです。

だからこそ日本文化を紹介するテレビ番組で「すごいですね」「素晴らしいですね」と言われるだけで
自尊心をくすぐられ「どうだ、日本はすごいだろ」と喜ばしくなるわけです。

なので意外とそういう番組が多く、視聴率も安定的に取れているわけです。
自尊心をくすぐって欲しいのは「日本」に属している日本人全員が対象になるため視聴率が稼げます。
自尊心をくすぐられて悪い気持ちになる人はそうそういません。
そういう意味ではニッチな分野よりも潜在的な視聴者層は多いはずなのです。

そして今回紹介するのは漫画を読む人の自尊心をくすぐってくる漫画を紹介。
それが漫画「異世界居酒屋のぶ」です。間違っても漫才師千鳥のノブさんではありませんよ。

著者:蝉川夏哉(原作)ヴァージニア二等兵(作画)「異世界居酒屋のぶ」(連載:ヤングエース)発行:KADOKAWA 角川書店

【あらすじ】

異世界に繋がる噂の酒場「居酒屋 のぶ」。タイショーが作るエキゾチックな料理と極上の酒「トリアエズナマ」を求め、今日も店には異世界の住人が訪れる──。

簡単に概要を紹介すると時代も文化も日本とは異なる古都に見慣れない居酒屋がオープンします。
最初は見慣れない店内と見慣れない料理に戸惑う客達ではあるが
一口料理を食すると一気に居酒屋の虜になる。その居酒屋の名前が「のぶ」なのです。

のぶで出される料理は居酒屋というだけあって居酒屋向けの一品料理が漫画を彩ってくれます。
基本的には一話に一品と言うかたちで日本料理を紹介し、異文化の住民達が舌鼓を打ち
日本食の美味しさに満面の笑みと共に至福の表情で「美味い」と唸るわけです。

「異世界居酒屋のぶ」は日本人の自尊心を刺激してくれる漫画

「異世界居酒屋のぶ」のように日本文化に属する日本人としては自尊心を刺激すると共に
認証欲求を満たしてくれる漫画という物はなかなか見たことがありません。

昔からグルメ漫画というのはある一定の支持層を得ており
少なからず漫画の一つのジャンルとして好まれています。
中でも長年続いている「美味しんぼ」や最近では「孤独のグルメ」などが
多角的にメディア化されることによって、一つの「グルメ漫画」ブームというのが起こっています。

他にもさまざまなグルメ漫画があるかと思いますが
そんなグルメ漫画は「日本人が日本料理を食してから美味しい」と唸るものが少なくありません。
そこにあるのは「共感」という感覚。
同じものを食べた時に感じた記憶の想起。
そこからくる食べている主人公との共感による幸福感だと私は考えています。

簡単に言えば好きなものが出たときの「俺も好き、上手いよなー」という感覚で
これまでのグルメ漫画は楽しむわけです。

対して「居酒屋のぶ」ではこの共感する感覚だけでなく
帰属意識のある「日本人」としての本能に響くように
自尊心を絡めながら楽しさを提供してくるのです。

特に居酒屋ということもあり
「酒」関連を知っていると楽しさがアップします。
そういう意味では大人向けの、酒が大好きな人には
「居酒屋のぶ」にやってくる異世界の住人たちと
楽しく酒を酌み交わすこともできるかもしれません。

作品の世界観を構築するのは作家の飽くなき作り出した世界への考察

この漫画読んでいて面白いのが
「トリアエズナマ」という名称が
ビールの名前になっているところです。

「生ビール」という名称にするのではなく。
居酒屋でサラリーマンなどが声高に叫んでる「とりあえず生!」というのを
異世界での名前に起用していることです。

なぜなら「トリアエズナマ」という言葉を誰が教えたのか?
というところに疑問が生まれるわけです。
板前なのか、給仕係なのか?

変な日本語をw というのも異世界モノの楽しさの一つだと思います。

漫画の中で広がる異世界はこちらの世界の「中世」ぐらいの時代設定。
そのため、そんな文化の違いなども織り交ぜつつ物語が展開します。

そういうことを考えると時代設定などの世界観考証も行っているようなのが
個人的には好感が持てるわけです。
異世界を題材にした物語を作る場合には
世界観を構築し、そこに自分らしさを載せつる必要があります。
一から全てを作れるなら越したことはないですが
既存の世界観を流用することで、さらに奥深くなりより楽しめるはずです。

そういう意味では「異世界居酒屋のぶ」
この時代設定なども踏まえてよく調べられており
うまく機能しているように見えます。

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