elude丸

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なろう系「異世界転生」作品はパッケージを多用したことによる加速化が要因でヒットしている

      2018/04/17


なろう系「異世界転生」作品はパッケージ化されたコンテンツの為せる技

「なろう系」と呼ばれる小説を原作とした作品が
ここ最近アニメ化され続けています。

今期アニメとして放送されている「異世界居酒屋のぶ」も
原作の小説は「なろう系」であり
アニメのワンクール内に一つや二つの作品は
「なろう系」から作品が選抜されてアニメ化されています。

そんな「なろう系」と呼ばれる作品でアニメ化されている多くは
「異世界転生」を主題、それに類似した作品が多く
「なろう系=異世界転生モノ」という風に考えても良いぐらいです。
実際に「小説家になろう」に投稿されている作品は
多種多様なジャンルを取り扱われてはおられており、偏りがあるという訳ではないのですが
そうなると、どうして「なろう系」から「異世界転生モノ」が
数多くアニメ化として排出されて来たのか。というのが興味を覚える訳です。

ということで、今回は
どうしてなろう系には異世界転生モノが多く読まれているのか。
ということを考察してみたいと思います。

たらたらとしたアレコレを並べ立てる前に
先に私の結論を紹介すると

「共通認識による初期設定の説明を省き、すぐさまストーリーへと惹き込むことが必須だから」

だと考える訳です。

さてさて、それではどうしてそういう結論を導いたのか
考察を進めて行きたいと思います。

形骸化されたパッケージ利用と無料という蠱惑的な魅力のため

そもそも「小説家になろう」にて公開されている小説というのは
「無料」によって読むことができるWEB小説です。

消費者において「無料」ということは魅惑的であり、蠱惑的な響きがあります。
ユーザー側からコストを支払うことなく
興味深く、そしてハラハラドキドキの世界へと旅立てるわけです。

もちろん、それに付随する「玉石混交」という状況には
目を瞑る必要があり、ある程度の許容は必要にはなってきます。

しかし、幸いにも「小説家になろう」というサイトには
ランキング要素があり、多くの人が読んでいる作品を知ることができ
手っ取り早く、より良い作品を楽しむことができるように配慮されています。

WEB小説の玄人となり、さまざまな作品を読み漁るようになってから
自分で読みたい作品を調べるようになることを考えるに
多くのユーザーがまずは「ランキング」から作品を読み漁ることになるでしょう。

となると、「小説家になろう」にてランキングに入るために必要になってくるのは
「多くのユーザーに受け入れてもらえる作品」であるということ。

そこで利用できるのが「共通認識」なのです。
ファンタジーにおいて、エルフというのは長身で美麗で長寿
そして長耳が印象的で、弓や軽装が似合う種族。
逆にドワーフは小柄で筋骨隆々。ヒゲをハヤシており
製鉄や鍛冶に長けていて、背丈ほどもある戦斧を操る種族。

これら共通認識というのは
ファンタジーという世界観が産み落とされてから
いくつもの作家が知識や認識を共有し
さまざまな形で形骸化してきたある意味で「パッケージ」な訳です。

これらパッケージをうまく取り入れることによって
わざわざそれら世界観の説明を省くことができるという利点があります。

実際のところこの世界観のパッケージは昔から利用されてきたことで
結果として形骸化されて来たわけで、「小説家になろう」から始まったわけでもありません。

しかし、「小説家になろう」において「共通認識」というのは
作品ジャンルでもある「異世界転生」という部分にも現れています。
それは生前の、つまり「現世の記憶」と言うなの
「世界の常識」という共有認識もパッケージ化したことです。
読み手も持っている世界の常識という部分までも「主人公の特徴」としてパッケージしたことによって
その作品の世界観をわざわざ説明するという部分を排除し
リアルな世界の知識を元に爽快感のある冒険を楽しむことができるわけです。

簡単に言えば、RPGにおいて知識「1」から始まるアホな勇者ではなく
知識「200」の基礎学習が終わっている転生者の方が
「読み書きの勉強」から始めなくてすむ。という利点があるわけです。

その利点にはWEB小説ならではの実情が垣間見えます。

ファンタジー小説において主人公達は
いろいろな苦労や絶望、そして勝利などを繰り返しながら
読み手を世界観へと誘ってくれます。

しかし、「小説家になろう」は良くも悪くも
先に紹介した「無料」というハードルの軽さがあります。

ハードルの軽さというのは、容易にまたぐことができると共に
容易に出ていく可能性をも示唆しています。
つまり、ちまちまと主人公が苦労や絶望を感じながら成長するという工程を
気長に読んでくれるという猶予を読み手側がなかなか持ち合わせていない。ということです。
つまり、ちまちまとした成長物語では冗長的になりすぎて
読み手であるユーザーが付いてきてくれないというわけです。

つまり、パッケージ化された内容を利用し
それら説明や細かな設定を読み手である受け取り側に一任することによって
「説明」という冗長的になりやすい部分を大幅にカットし
読み手が欲しているハラハラドキドキの冒険へと入ることができたからこそ
異世界転生モノというジャンルは大きくユーザーを取り入れることができた。
つまり

「共通認識による初期設定の説明を省き、すぐさまストーリーへと惹き込むことが必須だから」

という風に結論付けられる訳です。

いろいろな部分において「加速化」が進んでいます。
昭和には電話は自宅にしかなく、知人へと連絡とるにも
自宅や公衆電話からしはできませんでした。
しかし、一人一台ケータイが可能となり
やがては電話という二人の時間が合致しなければ連絡できなかったものから
メールやLINEなどの形でのやり取りが可能となりました。

これら連絡方法の「加速化」も氷山の一角でしかありません。
買い物であったり、予約であったり、ニュースであったり。
さまざまなものが加速化が進んでいます。

「加速化」はある意味で技術の進歩に言い換えることができるもので
人々はより快適になるため、時間というコストを浪費しないために
「加速化」を進め続けてきた訳です。

実際、昭和という時代をみても大正という時代からは大きく加速化しているわけです。

小説という普遍的な印象があったコンテンツにまで
加速化という波が訪れていることに驚きを感じずにはいられません。
また、そこに「ケータイで読める」という点も含まれていることも一助あるとは思います。

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