elude丸

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PS4「メタルマックスゼノ」は過去作からの脱皮が目標。だがその痛みにファンは耐えられるのか?

   


「メタルマックスゼノ」は過去のメタルマックスシリーズからの脱皮が目標

久しぶりのシリーズ作品ということで大変期待して購入させて頂いたゲーム。
ようやく1周目のクリアができましたので感想を書かせていただきました。

そのようやくクリアできたゲームが「メタルマックスゼノ
メタルマックスシリーズのナンバリングタイトルから
「15年ぶり」の新作となります。

まずは私のメタルマックス歴を紹介。
私は最初期の「メタルマックス(FC版)」からシリーズを通してプレイさせて頂いており
メタルマックスファンの一人です。

メタルマックス(FC)から始まり、メタルマックス2(SFC)。
メタルマックス3(NDS)にメタルマックス2リローデッド(DS)、メタルマックス4(3DS)まで
あいだにメタルサーガ(PS2)なんかも挟まりながら
シリーズを通して楽しませて頂いているゲームです。

何気に「ファミコン時代」からシリーズを通して
RPGというゲームで製品化されているゲームというのは
ファイナルファンタジードラゴンクエストなみに希少な存在だと思うわけで
15年ぶりに販売されることに嬉しく思っております。

まあ、シリーズ販売が奮っているかと言われれば、過去シリーズはなかなかに厳しい部分があるようで
それでもたまにシリーズ化されているのは、往年の名作をこよなく愛しているファン層なのは間違いありません。

メタルマックスゼノの進化は「戦車」に重きをおいたゲームバランス

そして、ついにPS4にて販売された「メタルマックスゼノ」ですが
以前、電ファミに掲載されたこちらの記事も合わせて読んでいただければと思います。

「竜退治はもうあきた」とドラクエチームから巣立った男がメジャーを目指して26年。流行に逆らい続けたメタルマックスが追い求めたのはドラクエからの自由だった【宮岡寛インタビュー】

記事内でも開発責任者であった「宮岡」さんが仰っていた通り

だから「裏切られた」というより、「簡単すぎる」と感じる人はいるかもしれないね。

という風に言っておられるように
全体を通して「簡単」にはなっていたように思えます。

というのもメタルマックスシリーズを通して
ハンターを助けてくれてきた戦車「Rウルフ」が
まさかオープニングのチュートリアルで入手することができてしまうとはw
これを体験したときから「あ~、簡単になってるね」と思わずにはいられませんでした。

メタルマックスシリーズと言えば戦車での移動が挙げられます。
戦車があれば、戦力も防御力も心配なく安心感があります。
対して、そんな戦車から降りて人間として探索しなければならない所においては
どんな敵が来るのか、全滅してしまったときのリスクから張り詰めた緊迫感があるわけです。

ましてやそれがWANTEDモンスターとの戦闘が待っていれば
それを撃破した瞬間に感じられる「やったっ!」という達成感というのはひとしおな訳です。

ですが、今作ではこの「人間」のみの探索という部分のウェートが大きく削減されています。
つまり、ゲーム内で過ごす時間の多くを「戦車」で進め、合間で「人間」での探索という印象があり
人間での探索がオプション、もしくはアクセントの一つ。という印象が拭えません。
それは人間のみで退治するWANTEDモンスターの数と、戦車で退治するWANTEDモンスターの数でも瞭然です。

そう感じさせたのは、人間のみで探索する「ダンジョン」の様相からも伺えます。

人間で探索する部分の力の抜き用が気になる「ダンジョン」

ゲーム内のテキストでは、大破壊を逃れた住民たちは地上を闊歩するモンスターに対抗するため
地下道内に都市を作った、という設定があることから探索するならば「地下道」というわけなのでしょう。
しかし、そんな地下道の全てが「マップ構造を使いまわしている」ことに落胆を感じずにはいられません。

簡単に言えばいくつかの地下道のパーツ
「直進」や「分岐」「行き止まり」を組み合わせたダンジョンっぽさを構築しているにすぎないのです。

ワールドマップ内では倒壊しているもビルらしき建造物もあるので
プレイ当初は、ビル内を探索できるものと期待していたのですが
最後の最後まで、探索できるエリアは地下道で収まっており
倒壊したビル内で、大破壊前の生活の様子を伺ったり、オフィスデスクを漁る。
なんていう展開もありませんでした。

この力の入れようの無さからも「人間での探索」
オプション的扱いに成り下がってしまっているように感じたわけです。

そう考えるとオープニングのチュートリアルの部分で「Rウルフ」が手に入るのも
まず、何はなくとも「この世界では戦車がなければ始まらない」という意味を表しており
人間での戦闘はアクセント程度にしか含まれない。という示唆だったのかもしれません。

メタルマックスシリーズならではの街や集落でテキストやイベントの欠如が残念

また、なんと言っても残念であったのが「絶滅指数」という考え方です。

今作「メタルマックスゼノ」では大破壊後も続くモンスターの襲撃によって
ヒトという種族は「絶滅危惧種」になっており
ほそぼそと暮らしていたヒトの集落はことごとく殲滅されてしまった。
という、設定になっているのです。

それは結果として、最初の拠点でもある「アイアンベース」と呼ばれる基地以外に
メタルマックスの世界観を体感するために必要な出会いが生まれる「街・集落」がないことを意味し
大破壊という世界観を知るための人々との交流というものが存在しないのです。

私個人的な考えではありますがメタルマックスシリーズの面白さには
テキストやイベントという部分があったように思うのです。
ですが、そんなテキストやイベントが街がないことで
語られない部分があまりにも多くて残念に思うわけです。

その結果、アイアンベース内でどうでも良いような
メロドラマが演じられており、正直、その部分に関しては必要だったかと疑問に思わずにはいられません。

メタルマックスというのは他の作品ではない世界感を持っています。
大破壊から秩序が崩壊し、人々が生き抜くことだけに重きをおいた世界
そんな世界観からくる、住民たちの生き様というのを
町中のキャラなどと話しながら感じ取ることができるゲームだったわけです。
それがメタルマックスの世界を旅する楽しみでもあったはずなのですが……。

そんな大破壊という世界観を楽しむためのテキストとしてある理由ですが
先にも紹介したようにヒトの集落自体がないため、それらの出番は極端に少なく。
ダンジョン内にもちらほらと見られる程度で少なすぎる。という感じが拭えません。

ナンバリングタイトルを廃止し新しく生まれ変わったメタルマックスシリーズ

さてさて、ここまで長々と批判的な意見を述べさせていただきました。
ですが、批判的意見だけを述べていてはただの感想です。
ということで、どうしてこのような形になったのか推察をしてみたいと思います。

まず、先に紹介した宮岡さんのインタビュー記事から

裏切ることにはならないと信じています。最終的にやることは同じだから。ただ、これまでは「わかってるよね?」で済ませていたことをわりと丁寧に説明したり、いままでは10種類くらいあった解決方法を、2種類くらいに絞ったりしている。

「2種類ぐらいに絞った」というのが
人間での戦闘を大幅に削ったということだと言えます。

これまでのメタルマックスシリーズのファンとして
プレイするにあたって問題になるのが「お金」の問題です。

というのも、ドラクエやファイナルファンタジーのように
人間だけの戦闘ならば、人間装備だけを充実させれば済むわけです。
しかし、メタルマックスシリーズには「人間」「戦車」という
2つの戦闘スタイルがあり、それぞれの装備を充実させることで
WANTEDモンスターやボス戦闘に勝つことができるわけです。

そういう意味で戦闘スタイルをガッツリと「戦車」に寄せたことで
選択肢の幅を大きく絞ることで、ユーザーの選択肢がバラけてしまわないように調整したのだと思うのです。

過去のメタルマックスシリーズでは
そのお金問題を解決するために「WANTEDモンスター」という賞金首があり
倒すことで大金を手に入れることができ、装備の充実が図れる訳です。

では、今作そこまでお金に困るのか?というとそんなことはありません。
というのも、戦車装備の武装はアイアンベースでの
素材を集めての合成という形をとっているため
お金よりも、素材ドロップされなくて。という問題の方が目立ってしまいます。

逆にお金は使い所が少なく、結果として余りまくる。という状況が拭えません。
メタルマックスシリーズであったような自宅を豪華に飾るインテリアショップというものも
ヒトの集落がなくなったことで廃止されてしまいました。

とは言え、どうしても疑問に思うことが出てきます。それが

どうして宮岡さんは「簡単」な方向へと舵を切ったのか?

という疑問です。
その疑問に対して私が推察するに「過去シリーズからの脱皮」を検討したのだと思うわけです。

最初に書いたように、前作から「15年」経ち、シリーズ初期からは「25年」以上が経っている訳です。
そして、これまではナンバリングタイトルだったのに
今作を「メタルマックス5」とせず、「メタルマックスゼノ」としたところに
理由があるように私は推察します。

ナンバリングタイトルというのにはシリーズファンには
待望のシリーズという待望感があり、心躍り魅惑の数字です。
ですが、裏を返せばプレイしたことがない未プレイヤーには
敷居を一つ上げてしまう呪いの数字なのです。

例えば、メタルマックスシリーズで全シリーズでネタとして利用される
「ドラム缶を押す」というイベント。
これは初登場が「メタルマックス2」の「デスクルス」という監獄街にて登場する印象的なイベントです。
(このイベントをリンダーキューブなどを作った桝田さんが作られたそうで詳しくはインタビュー記事を参照)

そんな印象的なイベントではありますが
メタルマックス2をプレイしていない未プレイヤーには
何のネタなのか意味が不明な訳です。

そういう問題を払拭する意味でも「メタルマックス2リローデッド」を企画したのかもしれませんが
すでにここで「ナンバリングタイトル」であり、結果としてハードルは高いままだったのかもしれません。

そういう意味で、前作から15年ぶりということを踏まえて
「ナンバリング」ではなく「メタルマックスゼノ」として新しく踏み出したのだと思います。
これまでのファンを囲いながらも、新しいユーザーを掴むために。

今作の「メタルマックスゼノ」に私が感じてしまった不満部分というのも
新しいメタルマックスとしての脱皮の痛みだったのだと思えます。

ファンタジーでない、近未来SFとしてのRPG
荒廃してしまった世界を、戦車という武力のみで駆け巡るゲーム。
そういう、ゲームの核になる部分まで削ぎ落として作り上げたのだと思います。

まあ、先に上げた不満のいくつかも、どうしてそうなったのかは容易にわかります。
人間の戦闘をオプションやアクセント程度にしたのも
人間での行動する機会が減ることで、ダンジョンを簡略化できたり
街や集落を廃止することができたわけです。
廃止することができればコスト削減に繋がり、製作期間の縮小にも繋がります。

とは言え、人間の戦闘がほぼほぼなくなってしまったため
正直、主人公の独自スキルである「復讐の左手」の使う機会は後半にはありませんw
一応、初期職業がハンターというならば戦車で利用できる固有スキルにしてほしかったw

まあ、総評としては久しぶりの「メタルマックスシリーズ」のため楽しませていただきました。
シリーズファンであるがためにいろいろと不満点はありますが
戦車に主砲5門つけての「キャノンラッシュ」による過激な一斉掃射の気持ちよさや
何気に乗る戦車によって異なるエンジン音、モンスターを見つけたあとの先制攻撃など
このゲームでしか味わえない楽しみは提供されていました。

未プレイヤーのユーザーがこのゲームをどのように受け止めてくれるのか
古参であるメタルマックスシリーズファンとしては興味を禁じえません。
いろいろと不満な部分がありますが、先にも述べた通り
今後シリーズ化を考えての「ナンバリングタイトル」でない。というならば
今回の不満部分を改善することも考えた上で、開発を行っていただければと思います。

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