elude丸

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アニメ制作会社「マッドハウス」の労働環境問題は「製作委員会方式」の問題でもあるはず

      2019/05/21


労基違反はマッドハウスだが実態を表しているだろうか?

まず先に表明をしておきたいと思います。
私は根っからの「残業嫌い」であるということ。

新社会人の頃、務めていたソフト開発会社では
日常茶飯事に残業が横行していており
先輩に習うようにして残業を繰り返しておりました。

結果として心身を病んでしまうことになり
一時期、仕事すべてを嫌になってしまったという経験を持っています。

なので、残業については是正されるべきだし
今回のニュースについては真摯に受け止め
解決へと進んでほしい問題だと私も感じています。

そのニュースというのがこちら

アニメ制作会社マッドハウスに労基署が是正勧告 「月393時間の労働」社員が過酷な労働環境訴える

作るアニメの品質が高ければそりゃそうなるだろうよ

マッドハウスといえばアニメ界では知らぬものはいないほど
有名な制作会社であり、作画やそのデザインセンス
そして、アクション表現の品質の高さからファンは少なくありません。

アニメ好きからすれば

品質の高いアニメを作ってたらブラック認定されるでしょうよ。

という話ではあります。

ココ最近でマッドハウスが手がけた中で
世界的にも人気の高い作品といえば「ワンパンマン
PVだけでも仕事量の凄さが伝わってきます。


アニメ制作会社を一般企業と一緒に考えてはいけない

さて、ここで一般企業と同じに考えてもらいたくない話があります。

アニメ制作においては「製作委員会」「制作会社」とは
決して同一ではない、ということです。

基本的には「製作委員会」にて出資を集め
アニメ制作を「制作会社」へと依頼する。という形になります。

そのため、アニメ制作会社は「アニメ全体の売れ行き」については
まったくの補填を受ける心配もないわけです。
ですが、同時にアニメが売れたあとの利益もほぼほぼ得られないのです。

円盤と呼ばれるDVDやBD、関連グッズなどの収益は
すべて「製作委員会」へと入り出資金の比率によって分配されます。

これは一般的な製作委員会方式であり
最近では少しずつ構造の変化に着手されはじめてはきています。

つまるところ制作会社の収入といえば
製作委員会からの受注金額によって左右されるわけです。
となると今回の問題はマッドハウス自体が社内に資金を留保させていないのならば
製作委員会からの受注金額の安さが問題に他なりません。

もちろん、契約なので安く抑えたいのはわかります。
ならば出来高払いという意味でも
その後の収益についても権利があって良いものだと思います。

これまではDVDやBDなどの売上が主流でした。
しかし、最近ではSVODなどのオンライン配信が加熱し
旧作から新作まで自由にユーザーが見ることができます。
それはDVDやBDなどの販売では思いもしない旧作に価値がでる可能性も秘めているわけです。
その上映料は決して、DVDやBDのような一時的な金額ではなく
長期的な収益としてより良い利益をあげているはずです。

製作委員会から制作会社へと
その仕事量に見合った支払いさえ行われれば
今回のマッドハウスの問題も。アニメーターが貧困に困窮する、という問題も
今よりも大分と改善されているのではないでしょうか。

制作会社は板挟みで「品質の劣化」は即終了につながる

さて、そこでこんな意見も出てくるかと思います。

「資金が少ないなら、残業しない手抜きのそれなりの仕事にすれば良いじゃない」

もっともな意見です。
相手がそれだけしか払わないのですから
それなりの仕事で文句など聞く必要がありません。

ですが、アニメというのは制作が終わって卸した瞬間から
「視聴者」という別の人間が査定することになる特殊なコンテンツなのです。

そのためアニメの手抜きは簡単に見抜かれます。
例えば有名な「キャベツ」事件のように
見抜かれ、叩かれ、炎上し、評価が下がるわけです。

キャベツ(夜明け前より瑠璃色な)

するとどうなるのか「制作会社としての品が落ちる」わけです。

「制作の○○は前はよかったけど今は……」
「期待していたのにあの作画じゃな……」

それは物販のDVDやBDの販売へと直結します。
結果として、製作委員会への収益も悪くなり、制作会社の評判も悪化。
外注としての仕事はお願いされなくなり、制作会社自体が閉鎖されるわけです。
これはあくまで最悪のシミュレーションであり、すぐにこのようなことは起こりえません。

そして何よりも純粋にアニメを楽しんでくれるファンの人たちを落胆させないために

「やっぱり○○のアニメはカッコいいよな」

と評価を下してくれることを望んで
品質は保ちながらの仕事を行っているのだと私は思います。

と、考えると「良いアニメだった」
ファンがアニメの物販を購入し支援したとしても
製作委員会だけが肥えるだけで
制作会社にまで恩恵が回らないことが一因と言わざるをえません。

つまり、今回のことを取り上げる場合
制作会社だけをやり玉にあげるのではなく
その収益の背景にも触れ、製作委員会が儲けそれを還元していない状況にも
踏み込んだ内容が必要だと私は感じるわけです。

最後に今回の件で「裏読み」すると
マッドハウス自身も現状を変えたいという思いがあり
そして、会社の現状を知ってもらうためにも
マッドハウスと申告した男性との「プロレス」的な側面もあるのかもしれない。
いや、「プロレス」は真剣な勝負だけどねw

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