elude丸

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映画「1917 命をかけた伝令」ワンカットの長回しが作るリアリティを描く戦争映画

      2020/02/17


長回しのワンカットが見せるリアリティ戦争映画「1917」

アカデミー賞を獲得した映画ということで有名になったが
実は受賞が発表される以前から興味を持っていた。

というのも、すでに海外では放映されており
撮影風景のメイキングがSNSなどを通じて流れてきており
ラストの300メートル激走するシーンの撮影に驚愕し興味を強く惹かれていたから。

この映画を語る上で忘れてはならない撮影技法が

「ワンカット」

つまり、撮影を「一つのカット」にて撮影してしまうという長回しの技法
長回しはそれだけ演者の負担も大きくなり
カット割りを駆使した魅力的な演出ができなくなりますが臨場感と緊迫感がでます。

演者の負担というのは言うまでもなく、セリフを失敗できない。という負担で
もしも失敗した場合には最初からやり直しになるのは
なかなかに精神的にも堪えることでしょう。

しかし、この映画ではその「ワンカット」を全編を通して行っているのです。

とはいえ、2時間ほどある映画全編が「ワンカット」というわけではありません。
視聴者に気づかれないように見事にカットを割りしています。
カメラの前を大木や岩が横切ったり、カメラがパーンするために演者が消えたり。
さまざまなところで多分、カットをかけているとは思います。
それでも見た目には「ワンカット」という技法を失うことなく
伝令に命じられた二人の兵士の生き様を見事に描いています。

ワンカットだからできる「リアリティある戦争映画」がそこで繰り広げられており
それを監督自身もわかっているからこそ
腐敗する元兵士の死体や軍馬。それに群がるハエ。
轟々と燃え上がる家屋の炎熱に、白く芽吹く花びらなどなど。
さまざまなリアルを描いて入れ込むことで「リアリティある戦争映画」へと作り上げているのだと思います。

映画を通して視聴者が見守るのは
まさに戦争へと従軍する報道カメラマン
従軍カメラマンが兵士に密着して撮影しているような現実感が
映画から溢れてでており、視聴者を鷲掴みするのです。

だからこそ、最後のシーンにて伝令役の上等兵が一人が
攻撃中止を伝えようと必死に300メートルを激走するシーンには
感情を揺さぶられてしまうことでしょう。

伝令を続ける意義があり、そして諦めない理由が一人にはある

戦争映画、それも主要な登場人物は
伝令役に命じられる二人。ということもあり

言葉やセリフを使っての感情表現というのは
豊かなというわけではありません。

ですが、だからこそ。
役者が演じる節々の豊かな感情表現には
目を見張り、感情を動かされてしまい
一つ一つの言葉に重みが異なるのです。

ドイツ軍が撤退したと言われた前線を
恐る恐る踏破した二人の伝令。
その後、別の分隊と出会い、途中までトラックに乗せてもらいます。

そこで、一人の兵士が彼の任務を聞き
「そんなのは無理だ」否定的な言葉を吐くのです。

その時、上等兵は「Yes. I wil」と短く答えます。

英語がそこまで得意ではありませんが
それでもこの言葉の重みと責任感は十二分に伝わる言葉で
トラックに乗車している他の兵士たちも無言になり
彼のために精一杯の幸運を祈り激励をかけるのです。

他にも様々な演出がワンカットという中に封じ込められており
その端々を気づくたびに
監督が言いたいこと、伝えいたことがジンワリと伝わってくる
そんな良い映画だったと言わざるをえません。

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