elude丸

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NetflixなどのSVODが日本の”アニメ事情”に変化をもたらしてくれるか

      2015/10/03


製作委員会方式アニメはVODにて世界へと花開くか?

camera_vod

日本のアニメというとココ最近、収益戦略として大きく二分されている。

1つは昔からあった、TV放送による広告と共に
関連おもちゃのライセンス料による広告収益をあげる「広告収入方式」
そして、もう1つがココ最近出てきた、出資者がコストを分散しアニメを制作。
その後、DVDやBDなどにてソフトを販売し、その販売を収益にする「製作委員会方式」
の2つが主な収益戦略となっている。

この事が詳しく書かれているが以前にゲームコンテンツのリバイバル作品の紹介でも使った。
みずほ銀行が調査した「コンテンツ産業の展望」という資料から
アニメに特化した調査報告書である下記になる。

04 第2部 各論:各コンテンツ産業の現状分析 第3章 アニメーション産業

正直、一年前の資料ではあるがしっかりと細かかなデータを元に書かれており
現状を把握するには大変有効で客観的に見られるため
今回はアニメコンテンツに関して推察を進めてみたい。

世界へクールジャパンと押してるアニメ。でもその実情は?

さて、アニメというと日本が打ち出すクールジャパンの1つの柱でもあり
多いに世界的に受け入れられている。なんて錯覚を皆さんは起こしていませんか?

アニメ関連のコンテンツを紹介する見本市などが海外で開催され
外国人が楽しそうにコスプレして集まる多くの人達の姿が紹介されている。
しかし、本当に受けているのか?

そこでデータを元に詳しく調べてみたい。
紹介している資料の「Ⅱ.市場動向」で掲載されている資料
「【図表2-3-7】アニメーション制作会社の売上高合計推移」を
確認していただけると実情がよく分かってくるはず。

anime_uriage
※画像的につぶれてしまっているが、紫色で赤枠囲みされているのが「海外」です。

アニメなどのコンテンツが海外で多く売れていたピーク時というのは
「2005年」割合でみると全体の13%ほどを占めている。
しかし、もっとも最近のデータである2012年には8%ほどにまで下がってしまっている。

クールジャパンという形で打ち出し始めたのは「2010年」
データと合わせて見る限り、すでに下がり始めた状況に危機感を抱き。
テコ入れする意味でのクールジャパン戦略だったように見えてくる。そんなことはないと思いたいが……。

ところで、海外のアニメというと2クールが基本で、人気があるとシリーズ化されるようで
関連商品展開にて収益を得ている「広告収入方式」が収入形態としてはもっともポピュラー。
「広告収入方式」となる理由として先の資料に書かれている一文を引用させてもらう

米国以外でもアニメーションは「子供が見るもの」といった基本的観念があるため、比較的自由な表現が許されている日本のテレビアニメ番組は、現地の文化や歴史、宗教的価値観から拒否反応を起すケースも多い。

つまり、自然と子供向けの関連商品による収益をメインにする
「広告収入方式」が一般的になってくる。

対して日本のアニメ市場はどうだろうか?

さて、では日本のアニメーション市場を見てみると
夏アニメ、冬アニメという形で新しい新作発表に沸くのは多くが「製作委員会方式」
製作委員会方式のアニメというのは収入を得るためにDVDやBDの販売が不可欠で
その売上によって次回作を作るかどうかが決まってくる。そのため、放送期間も1クールからしか作られない。
なぜなら、DVDやBDの売れ行きが悪ければ、その後の展開を作っても収入を得られる見込みが薄いからだ。

そんな話数が少ない「製作委員会方式」のアニメというのは実はあまり、海外受けが宜しくない

というのも、海外のテレビ番組市場としては、多くのコンテンツをまとめて利用することが多いからだ。
日本のキー局のように毎週放送。という必要はない。
毎日放送したり、時にはぶち抜きのマラソン放送という形を取ったりもする。
と、考えた時。話数の少ない「製作委員会方式」のテレビ番組では
枠の利用方法が制限され、番組編成を行う側からすると使いドコロが難しいコンテンツだと言える。

コンテンツの枠とすると、大枠(話数が多い)小枠(話数が少ない)それぞれがある。
これらをパズルのように組み合わせて編成されて放送される。
だが小枠に収まるコンテンツはアニメだけではない。雑多なジャンルがそこに群がっており競合が多い。
それに伴い、海外では上記で引用したように「アニメは子供が見るもの」という観点がありファン層も大きくはない。
だからこそ、海外展開がココ数年は落ち込みが如実に出ていると言えるのではないか。

アニメの世界展開はVODの「Netflix」「Hulu」で加速する?

さて、これまで話してきたのはCATVなどの時間テーブルに縛られた従来のテレビ局の話である。
そこには確かに、小枠での使い勝手が悪い面が目立っていた。
しかし、ここに来て私個人が期待しているのはタイムスケジュールに関係なく
見たいコンテンツを簡単にいつでも視聴することができる「VOD」(Video On Demand)こそが
「製作委員会方式」アニメの救世主となると私は考えている。

9月から始まる「Netflix」や「Hulu」などのVODにとっても「製作委員会方式」のアニメはお得だ。
というのも、小枠のコンテンツであることから自然とタイトル数が多くなる。
広告宣伝の謳い文句の1つとして、取扱いコンテンツの数を謳いことがある。
「1ヶ月○○円で何万タイトル見放題」という広告向けの宣伝文だ。

また、ユーザーにとっても嬉しいのは、時間テーブルに関係ない配信が行わること。
従来のテレビ局は番組編成にはユーザーを配慮した作品選択が必要だった。
というのも、エッチな性を助長するような内容はご法度。(子供向けだから)
殺伐とした内容や、犯罪を助長するようなのもダメ。(子供向けだから)
しかし、VODなら年齢確認が行えジャンルを分けることで、性的な内容も自分の選択で視聴が可能となる。

あと、引用部分のように「海外ではアニメは子供の見るもの」という観点が存在しており
テレビに固定されない「Netflix」や「Hulu」などはタブレットやPC、ノートPCなどで視聴が可能で
VODは海外の「大きなお友達」にも向いていると言える。

VODが「製作委員会方式」に向いているという考えについて理解を頂いたかと思うが
実際数字にも現れている。上記で紹介した資料の「配信」データを見てもらうと
2012年は2011年の倍を示しており、海外展開以上の収益をあげている。

つまり、これまでの「製作委員会方式」の収入源というのはDVDやBDによる売上がメインだった。
しかし、今後の展開ではDVDやBD、とともにVODも大きな収入源と考えることが可能になり
今後、VODのことも考えた。海外へと向けた展開も選択肢の1つとすることができるようになる。

なので「製作委員会方式」のアニメを制作される場合には
是非とも「Netflix」や「Hulu」などのVODのことも狙った取り組み
海外受けの良さそうな作品を大いに制作するべきではないかと私は思っている。

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